会長挨拶

第39回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会開催にあたって

第39回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会
会長 北脇 城
京都府立医科大学大学院女性生涯医科学 教授

この度、平成30(2018)年1月27日(土)午前より2日間、第39回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会をJR京都駅前のメルパルク京都で開催させていただきます。伝統ある本会の学術講演会を担当させていただくことに名誉と誇りを感じております。会員の皆様に深謝申し上げます。

子宮内膜症は、性成熟期女性の10%に発生し、月経痛や慢性骨盤痛などの疼痛、不妊、さらに子宮内膜症性卵巣囊胞という多彩な症状を呈し、女性の各ライフステージにおいて quality of life を大きく損なう慢性疾患です。1927年に Sampson が最初に記載して以来90年が経過しました。いまだに病因は不明ですが、世界中の基礎研究者や臨床家がしのぎを削って最新の病因病態研究を展開し、治療法を実践しています。その中で本学会が貢献してきた部分も大きいと思います。

その意味からも、本学会は単一の疾患を扱う一見マニアックな学会ですが、子宮内膜症の多彩な症状である疼痛、不妊、再発、癌化などの諸問題を、基礎研究、手術療法、薬物療法、不妊治療、保健指導などのそれぞれの視点や立場から発表し議論し合うことは意義深いことです。私自身、あたかも「学問のるつぼ」のような本学会の多様な学術的アプローチに大いに触発されてきました。

今回の学術講演会では、基礎研究にも重点を置き、招請講演として台湾の Shaw-Jenq Tsai 教授をお招きし、さらに病因病態に関するシンポジウムを設定しています。臨床では、「深部子宮内膜症手術と他科との連携」と題して腹腔鏡下手術の進歩に伴って問題となる腸管や尿路系の取り扱いに関して、消化器外科や泌尿器科のエキスパートをお招きしています。ホットなトピックスとなってきている「子宮腺筋症と妊孕性」、「若年子宮内膜症の診断と取り扱い」、「女性医学からみた子宮内膜症」、などに関するワークショップやパネルディスカッションを予定しています。ランチョンセミナーや専門医共通講習・領域講習も予定しています。さらに、今回は「子宮内膜症治療と病診連携」についても取り上げます。これらいずれのセッションでも演題を公募しています。これ以外にも演題によってセッションを組みたいと考えています。医学系はもちろんのこと、薬学、看護学、教育学など多くの分野からもふるって演題の応募をお願いします。

開催は1年で最も底冷えのする時期ですが、京都の冬をご満喫いただけると思います。会場はJR駅前ということもあって、観光地や、祇園、先斗町、木屋町などの夜の街へのアクセスも便利です。日頃ご多忙の皆様におかれましては、古都の情緒を楽しみ、ストレスを解消していただけたら幸いです。最近は観光客急増のために宿泊施設確保が困難になってきています。どうぞ早めに確保いただき、多くの皆様のご来場を心よりお待ちしています。

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